ひつじの日記(もふもふ)

生きるのが上手ではない羊の日記。

それはそれは深い闇の中で

もともとずっと長い間(といっても2、3年ほど)、noteで日記を書いておりました。知り合いは2人ほど見ていました。女友人と元彼女。今も2人とも見ているらしいのですが、どうにも嫌になってしまったので、新しく日記を始めることにしました。人に見られることを意識して書く日記なんてろくなものではないのでね。

 

私は今年の春からの新社会人でしたが、9月頃に精神的に体調を崩して1週間ほどのお休み期間を頂きました。理由は、4月から一人暮らしを始めた事、慣れない仕事、仕事の疲労で趣味に割く時間がない事、会える友達が少ない事、趣味のバンドがうまく行ってない事、失恋、など色々なことが重なったことです。少しダメででも頑張らなくちゃいけなくて出張に行ったりしていました。

そんな出張中のある日の夜に近くのライブハウス(と言ってもカフェみたいなところ)で、まだあまり有名ではないもののよく聴いている弾き語りの人が出演するという事で、思い切って飛び込んだのです。私は、知らないところに飛び込むのが苦手だし、アウェーだと感じたら逃げ出したくなってしまうし、なんなら精神的に体調を崩していた2週間後なので気持ちが強いわけではありませんでした。ライブハウスに入るか迷いグルグル扉の周りを歩いたりしたのちに、でもこれを逃したらもう生で見れないかも知れないと思い立ち、ライブハウスに入ることができたのです。

そこはとても居心地の良い空間でした。音楽だって僕の好きなものが溢れていて、空間は少しアウェー感はあったもののお酒の力もあってすごく楽しかったです。ライブ後に何を思ったのか、私は出演者の1人に話しかけ、今日ここに来た経緯を説明したのです。そしたら、なんと、他の出演者さんにすごい人いるよ!と呼びかけて、みんなに囲まれてずっと聞いていた弾き語りの方を含めた出演者さん全員との会話が始まったのです。この時に、ずっと聴いてた人にこんなに簡単に会えて話せてしまうんだ!と世界が広がった気がしました。私は会いたいと思えばどこにだっていけて誰にだって話ができるのです。心がダメになってしまって深い深い闇の中で息をしていた私の中で確実に何かが動いた瞬間でした。久々に生きてる心地がしました。やっと世界は私に優しくなったのだと思いました。

 

調子に乗った私は、ずっと行きたいと思っていた本屋さんに行くことにしました。ずっと前から行きたいと思っていた事に加えて、精神を壊してしまって以来、私は会社を辞めて"本と音楽と古着のあるお店"を持つということを目標に日々と脳を動かしていました。だから、いろいろなお話も聞けたらいいなと思いいく事に決めました。なんか不安だったのでインスタグラムのDMでアポを取って、私はこういう状況でこういうことを思っているということを伝えました。

当日、マルシェ的なイベントが街全体で行われており人で賑わっていました。それでも、本屋さんをやる上でおすすめの本を教えてもらったり、まずは小さいお店(空きスペースや喫茶店の一角に置いてもらうなど)を始めるといいよ、というアドバイスをもらったりしました。マルシェ的なイベントの一環で、選書もして頂きました。そして何より、お店の雰囲気と店主の人柄が素敵で、とても居心地が良かったのです。また一歩、歯車が動き出しました。

 

そしてラスボス。未来に進むためではなく、過去を片付けどうするかを決めるための戦い。固まりかけていた歯車。私の中でどうにも片付いていない失恋。元恋人はきっと私を割り切ったつもりでいたし新しい彼氏もいた。私ももう、そこまで未練はないはずだった。だけど日記やSNSを見てしまう。そして何より、元恋人にフラれる時に明確なセリフがなかったこと、そして"またいつか"があるのかもしれない(と勝手に思ってしまっただけではあるかもしれない)セリフがあったことで、なんか完全に断ち切れなかった。わたしはどこかでまだ好きだった。だから未来に進むにしても元恋人の存在がちらついたし、振り返ってもそこに立っている気がした。だから、影も存在もどうにかしたかった。消すのかはっきりさせるのか。

そして先日、元恋人と電話をする機会があった。元恋人は、私が元恋人に好意や未練がないと思ってか、今の彼氏と幸せだということや結婚を考えていることを話した。そして、私の結婚するんだね、という言葉に対して"あなたが結婚してくれなかったから"という事を言った。"あなたはひとりで生きていける人間じゃない"とも言われた。その電話で、あの時と同じ温度で話せた事、そして私はの"あなたが結婚してくれなかったから"というセリフに悔しくなった事から、元恋人への好意をはっきりと確認した。"あなたはひとりで生きていける人間じゃない"という言葉に妙な納得感があって、よく分かっているなと思った。

 

今日、元恋人と会い、好意を伝えた。今更言うのはもう遅いけど彼女になりたいと、そして望むのであれば結婚も考えたいと。元恋人は笑って流した(ように私は思った)。その時はそのことだけ伝えて、たわいのない話をしたりもした。

帰ってからLINEがあって、「こう言う事を今後言うのはやめてほしい。とてもしんどい。もう今後こういう事を言うのであればもう会わない」とのことだった。私と元恋人はたまに会う必要のある団体に所属していたので、もし今後この話を再びしたら、それを辞めるということだった。

 

私はとても自分のことしか考えていなかったのだと、この時思った。身勝手だと。きっと元恋人はだいぶ前に区切りをつけていたのに、優しさで私には直接的な言葉を放たのかったのだ。でも、それを汲み取れなかった私は区切りをつけられなかった。悪かったと思う。あなたを苦しめたいわけではない。

でも、、と納得のいかない部分だって山のようにある。なんであなただけがしんどい、と思っているのだ。あなたが先に勝手に区切りをつけて私には曖昧な言葉だけを残していったくせに、私が区切りをつけようとした時にだけあなただけがしんどいと言うのだ。あなたは優しさを含ませた上で私に別れをつけだのだと思うが、私は言葉をそのままの意味でしか取れない。あなたが私と付き合っていて私のことを理解したような口調を散々していたのだから、それくらい分かってくれよと思う。それに、こういう時に、私たちが所属している団体の話を持ち出すのも納得がいかなかった。違うだろ、と思った。私が悪い部分の方が多いし、私に非があるとは思う。だけど、納得できなかった。ただの往生際の悪い男である。それも分かっていて尚、こんなことを言ってしまう。情けないな。情けないな、と言って酔っているだけかもな。もう自分が分からない。区切りをつけるための、過去との告別のための告白であったにも関わらず、どこかで何かが動き出すかもと思っていた。何もかもが違ったのだ。動き出した歯車が楽しくて調子に乗っていた。今までの人生であれだけ気をつけていた対人間の距離を誤ってしまった。恋愛経験のない私を人間にしてくれた元恋人。私が元恋人を傷つけてしまったこと、元恋人が私に納得できない事を言っている事、どちらも悲しい。

 

それでも、区切りがついたと。歯車が動き出したと思うしかない。私はひとりで生きていくのだ。そう仮定して生きていた方がとても楽なのです。過去も未来も私の自由。

何もない砂漠をひとりでラクダを連れて歩く、人生のことを考える時にこういうイメージを持つことが最近はある。すれ違った人はとても素敵な可愛い人だった気がするが、もう会えないのだろう。

また新しい街を、人を、楽園を探して1人で歩くのだ。元恋人は電話で「あなたはひとりで生きていける人間ではない」と言っていたが、私はひとりで生きていかなくちゃいけないのだ。砂漠ではひとりで生きていくしかないのだ。それはそれは深い深い闇の中でも。ボロボロになっても足を進めて朝を待つのだ。

 

 

P.S.こんなに長い日記を書いたのは久しぶりです。普段はもっと短い数行の散文です。初回サービスということで。