ひつじの日記(もふもふ)

生きるのが上手ではない羊の日記。

そつなくこなせた子供時代、そうなくこなせない大人

あの頃、私は周りの人より大人だと思っていた。それなりの事はそつなくこなせたし、大人の言う事はほとんど理解できた。だけど、そのまま大人になってしまった。あの頃の"大人っぽい子供"のまま大人になってしまったのだ。

 

大人になった今、私は自分の無力さと経験の足りなさの前に途方に暮れている。きっと、あの頃もっとわがままを言ったり、少し悪い事をしたり、燃えるような恋愛と失恋をしたり、遊び呆けたり、朝まで飲み歩いたり、そんな事をしていたら少し違ったのかもしれない。それとも、もっと色んな人と話を聞いて色んな集団と接して、色んな生き方を知っていれば、柔軟に社会でやっていけたのかもしれない。

 

どうにもこうにも、私は私のことしか見てこなかった。私の好きな事をずっとやってきたし、私の好きな人とだけ関わってきた。ちょっと限界が来たら物分かりのいい顔をしてスルッと(といいつつ揉めたりもしたけど)逃げてきたし、本当に気の合う人とだけ関わりを築いていた。その結果、上部だけのコミュニケーション能力はあるものの、好きな事以外をやる能力や、誰かと何かを進める本質的なコミュニケーション、何かを察したり気を遣う能力が著しくない。もうびっくりするくらい生きづらい。

 

私はもうあの頃に戻れないし取り返すこともできない。今更変わろうと努力をたくさんしたつもりだけど、もう変わらないことの方が多かった。だから、もう私が私として生きていける場所を探すしかないのだ。会社の人に受け入れる事や諦める事が大人になる事だよと言われたが、諦めるも受け入れるも出来なかった。何も捨てられない子供なのだ。大人っぽい子供は、子供っぽい大人になりました。私はもう変わらない。でも、これは一種の諦めなのかもしれない。そして、それを分かった事が本当の意味での大人に近づけたのかもしれない。(と、いい感じにまとめるのが大人っぽい子供の手口。大人はまとめるのが好きだからね。)