他人は他人で
あなたから何をもらったんだっけ。私の知っているあなたは本当のあなたではないのかもしれない。あなたが分からない。あなたという枠線がぼろぼろと崩れていく。私の見ていたあなたは本当のあなたではない。
これはきっと全ての人に言える。Aさんが私に接している時と、AさんがBさんと接している時でAさんは別の人なのだ。もちろんAさんがCさんと接している時も別人で。1年前のAさんと今のAさんも別人で。今のAさんと1年後のAさんも別人で。
だから、ほんの一瞬でも他者と同じ空間で物事を進めた事、何か関われた事がどれだけ素晴らしいことなのか。そんなことを素直に思えるようになるのだろうか。
苦しい。苦しい。何に?自分の気持ちが分からないから苦しいと言ってしまう。今、私は私に接しているからまた別人で。
記憶の中の他人は記憶の中でしか生きていない。もう誰も私の知ってる人などいない。